急性鼻炎

症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり、においがしない


いわゆる鼻風邪です。

鼻の中の粘膜の腫れや鼻水は「鼻詰まり」、鼻水が後ろに垂れていけば「鼻とのどの境の違和感」や「痰」の原因にもなり、夜間においては睡眠を妨害する要素になります。

内服薬や鼻内の処置、ネブライザーなどの治療で症状の早期改善を目指します。


アレルギー性鼻炎

症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり、においがしない


症状は鼻風邪と似通っていますが、その原因がアレルギーによるものです。

代表的なものにはスギ花粉やホコリ(ダニ・ハウスダスト)があり、この2種類に関しては舌下免疫療法が適応になります。(その他条件を満たす必要があります)

他にも様々なアレルギー原因物質が存在するため、何が原因なのかを検査で明らかにすることで対策が立てやすくなります。

治療としては内服薬、点鼻薬、舌下免疫療法などのコンビネーションになります。

現在様々な抗アレルギー薬が処方可能となっておりますので、それぞれの方のライフスタイルや症状に合わせて内容を調整させて頂きます。


  • 指先からの採血により
    20分で結果がわかる
    アレルギー検査のご案内

当院ではアレルギー検査の選択肢の一つとして、【20分でわかるアレルギー検査】を行っております。

小さなお子様や採血が苦手な方、検査結果をすぐ知りたい方にお勧めです。

詳細についてはコチラをご覧ください。

20分でわかるアレルギー検査

血管運動性鼻炎

症状:くしゃみ、鼻水、鼻づまり


アレルギー性鼻炎とよく似た症状にも関わらず、検査をしても原因となるアレルギー物質が見当たらないケースです。

自律神経の調節が上手くいかない事が原因の可能性があるといわれており、気温の急激な変化や食事時などに症状が出現しやすいとされています。

血管運動性鼻炎に特化した治療法はまだなく、アレルギー性鼻炎に準じた薬での対処が中心になります。


慢性副鼻腔炎

症状:色の付いた鼻水、鼻づまり、鼻が臭い、鼻がのどに回る、痰がらみ、においがしない


いわゆる蓄膿症です。

「おでこの奥」や「頬の奥」にある空間などに感染を起こしてしまっている状況です。

原因としては一般的には細菌によるものですが、好酸球性副鼻腔炎・副鼻腔真菌症・歯性上顎洞炎、鼻副鼻腔腫瘍などが隠れている場合もありますので、場合によってはCT等での詳しい検査をお勧めする場合もあります。

治療としては、細菌性であれば抗生物質(クラリスロマイシン)の少量長期投与という方法での対応が一般的ですが、上に示したその他の病気のほとんどに対しては効果が望めませんので、それぞれに対して適切な対応が必要となります。


急性副鼻腔炎

症状:おでこ/頬/後頭部の痛み、色の付いた鼻水、鼻づまり、鼻が臭い、鼻がのどに回る、痰がらみ、においがしない


風邪やアレルギーで鼻の中の粘膜が腫れて、副鼻腔の換気が悪くなったり、炎症が波及したりすることで発症します。

慢性副鼻腔炎の様な症状に加え、酷いと炎症が起きている場所に対応した場所に痛みが出ることもあります。

副鼻腔に溜まった膿を排泄するルートを確保し細菌を退治するための投薬や処置、吸入での治療を行います。

繰り返す場合は、慢性副鼻腔炎と同様にCT等の精査をお勧めする場合もあります。


歯性上顎洞炎

症状:片側の頬の痛み、色の付いた鼻水、鼻づまり、鼻が臭い、鼻がのどに回る、痰がらみ


片側の上の歯の虫歯が原因で頬の奥(上顎洞)に細菌感染が及んでしまっている状態です。鼻の中の診察だけでは診断をつけることができず、CTを撮った際に発見される場合が殆どです。

治療としては副鼻腔炎としての投薬での治療に加え、原因である歯の治療を歯科の先生に並行して行って頂く事で改善を目指します。

それでも改善が難しい場合は、耳鼻科的に手術での対応を検討するケースもあります。


副鼻腔真菌症

症状:片側の頬の痛み、色の付いた鼻水、鼻づまり、鼻が臭い、鼻がのどに回る、痰がらみ


副鼻腔炎の原因が真菌(カビ)によるものです。

蓄膿症と似たような症状が多いですが、中には無症状の方もいらっしゃいます。

診断はやはりCT(場合によりMRIも併用)で見つかる事が多く、鼻の中の診察だけで診断がつく事はほとんどありません。

免疫力の低下などに伴って稀に急激な悪化をする場合がありますが、抗生剤はカビには効かないため、カビがおとなしくしている間に手術で治療しておく事が悪化の予防となります。


好酸球性副鼻腔炎

症状:鼻づまり、においがしない、鼻がのどに回る、痰がらみ、粘り気の強い鼻水、おでこ/眉間の痛み


喘息などのアレルギー体質が原因となって、起こる副鼻腔炎です。

鼻の中にはポリープ(鼻茸)が匂いを嗅ぐためのエリアを中心に充満していることが多く、いわゆる蓄膿症よりも鼻詰まりや匂いの症状が出やすいのが特徴です。

診断には他の副鼻腔炎と同様CT、そして採血やポリープの検査が必要ですが、治療に関しては難渋することが多い病気です。

薬に関してはステロイドが効果を実感しやすいものになりますが、漫然と使用する事は避けたい薬品になります。

また内服や点鼻薬といった投薬でコントロールが難しい場合は手術という選択肢が挙がりますが、再発しやすいという難点があります。


鼻中隔弯曲症

症状:鼻づまり


左右の鼻の穴を隔てている真ん中の板を鼻中隔と言います。

この板が鼻の中で曲がっている状態が鼻中隔弯曲症です。

曲がっていても何も症状が無ければ放置して問題ありません。

慢性的に鼻詰まりがあることで日常生活の質や睡眠への悪影響があり、かつ真っすぐにすることでそれが解消される見込みがある時に手術適応となります。

なお、手術は成長期が終わってから行った方が良いとされています。

アデノイド肥大

症状:鼻づまり、口が開いたまま


鼻の一番奥にある咽頭扁桃という組織が肥大した状態です。

幼少期の小児に生理的に起こりやすい現象で、それ自体が病気という訳ではありません。

ただ大きい事で鼻の奥が閉塞すると、睡眠時無呼吸症の引き金になり得ます。

詳しくはコチラをご覧ください。


鼻前庭炎、鼻せつ

鼻毛を抜いたり、いじったりする事が原因となって、傷ついた皮膚から細菌感染を起こしてしまった状態です。

酷いと鼻の頭の方まで感染が広がり、赤く腫れあがってしまう事もあります。

軟膏や場合によって抗生物質の内服が治療になりますが、いじらない事もとても大事です。


鼻骨骨折・眼窩壁骨折

顔に硬い物がぶつかってしまった時に顔の骨も折れてしまう事があります。

折れる骨によって当然起こりうる不利益は変わってくるわけですが、鼻骨という鼻筋(はなすじ)の骨が折れた場合は「見た目の変化、鼻づまり、一時的な鼻血」、眼窩壁という目の周りの骨に関しては「見え方、目の動かしづらさ、目の腫れ」が出現する可能性があります。

診断に関しては、CTを撮らないとハッキリと確認することができません。

治療に関しては、折れている場所と折れ方によって耳鼻咽喉科もしくは形成外科での手術対応が必要になるケースもあります。



鼻出血

ほとんどは、キーゼルバッハという指が届くくらいの鼻の入り口近くのところが出血源になります。

鼻筋ではなく、小鼻を両指でつまみ、下を向いた姿勢で10~15分程度安静にしていると多くの場合で止血可能です。

ただそれでも止まらない場合、鼻血を繰り返す場合(特に大人)は鼻の奥に腫瘍があったりと他の原因が見つかるケースもあるため、一度内視鏡やCTでの精査をお勧めする場合もあります。